JPM / VALUE IN MOTION01 / 05

IGNITION / 01

可能性を、起動する。まだ名前のない事業が、動き始めます。JPM / NEXT EXPERIENCE

課題別ガイド / 定着・育成

採用しても入社90日以内に辞める

採用のゴールを入社日に置くと、受入の責任が空白になる。新人は仕事の難しさだけでなく、何をすれば合格か、誰に聞けばよいかが分からないことに消耗する。

編集:日本プロダクトマネジメント合同会社 · 公開・更新 · 約5分
学びを仕事へつなげる場面
テーマを理解するためのイメージ。特定企業の成果事例を示す写真ではありません。

まず、結論

年間の離職率と入社直後の離職は別の問題。90日以内に辞めるなら、募集時の説明と実際の仕事、初期支援、相談先の差を確認する。全社年率だけでは、この差が埋もれる。

まず、原因を切り分ける

初日の準備、最初の仕事、上司の面談、相談先、評価説明を入社者ごとに確認する。退職理由の『一身上の都合』を原因として処理せず、本人が共有できる範囲で期待差と支援の不足を聞く。退職率と成長速度を別々に測る。

原因の候補と、先に確認する証拠(JPMの実務仮説)
原因の候補確認する証拠先に変えること
期待差説明と実務の違い募集と受入を照合
支援不足質問先が分からない相談と練習の機会
配置不一致任せる役割が変わった役割を再合意

自社への3つの問い

  1. 初日に必要な道具、権限、席、担当者は揃っていたか。
  2. 最初の30日に求める成果を、新人と上司は同じように理解しているか。
  3. 困った時に相談できる相手と、回答の期限は明確か。

この課題に使える根拠

離職を比べるときは、働き方の違いを揃える

2025年の年間離職率。全国16大産業・常用労働者5人以上の事業所。年初の常用労働者数を分母とする推計値(概況6ページ・表1)。

一般労働者の年間離職率
11.4%
パートタイム労働者の年間離職率
19.9%

出典:厚生労働省 / 2025年雇用動向調査(2026年8月31日公表) 原資料 ↗

数字・資料の読み方一般労働者はパート以外で、正社員だけではありません。出向等も含みます。入社90日離職率や自発的退職だけの割合とは比較できません。調査全体の有効回答は上半期9,277、下半期8,807事業所。

人事の判断にどう使うか

JPMの読み解き・実務仮説年間の離職率と入社直後の離職は別の問題。90日以内に辞めるなら、募集時の説明と実際の仕事、初期支援、相談先の差を確認する。全社年率だけでは、この差が埋もれる。

最初に確認する自社データ・現場の声

同じ入社月の人を90日後まで追い、入社人数・在籍人数・退職理由を残す。まだ90日経っていない人を分母に混ぜない。

なぜ、その打ち手を選ぶのか

新人は能力があっても会社固有の判断基準を知らない。説明されない期待に合わせようとすると、学習より不安が先に立つ。目標と相談先が分かり、仕事が止まった時に支援を得られれば、成果を出すために試行できる。オンボーディングは研修を消化することではなく、仕事、関係、期待を接続すること。完了した手続きと本人の理解を別々に確認する。

自社に当てはめる仮想例

仮想例。受入研修はすべて実施していたが、新人が一人で手順を探していた。研修内容ではなく、仕事を始める権限と質問先の問題だった。初週の仕事を限定し、支援担当と確認日を決め、止まった場面を週次で聞く。確認するのは研修完了率に加えて、仕事を始めるまでの待ち、質問解決、初期成果。支援者の負担が増えすぎた場合は、担当人数や資料を見直す。

別の原因なら、別の打ち手

入社前の説明と実態が違うなら、受入を丁寧にするだけでは足りない。求人や選考で伝える内容を修正する。役割そのものが合わない場合は、配置と期待の再確認が必要。心理的な不安を本人の弱さと解釈する前に、相談への反応と仕事の難しさを点検する。早期離職が少なくても成果まで時間がかかる場合は、定着と学習を別の課題として扱う。

  1. 01原因の証拠
  2. 02変える条件
  3. 03担当と試行
  4. 04行動の変化
  5. 05継続・修正
JPMによる実務の整理。統計上の因果関係を表す図ではありません。

5つの施策を、同じ観点で比較する

費用や効果量は一律に置かず、自社条件で見積もる
施策最初の着手見る指標
Realistic Job Preview新人が驚いた仕事内容や働き方を集め、求人と面接の説明との差を確認する。入社前後の期待差、90日定着、辞退理由
30・60・90日計画役割に応じた初期成果を上司と決め、最初の30日に絞って具体化する。初期成果の達成、阻害要因、入社者別の定着
バディ制度新人が困りやすい社内ルールやツールを整理し、答えられる担当を選ぶ。質問が解消する時間、孤立感、相談先の理解
入社前の受入監査権限、端末、研修、初日の予定、連絡先を一覧にし、未準備を確認する。初日の準備完了率、権限待ち時間、初週の困りごと
週次の障壁確認今週止まった仕事、誰に聞いたか、まだ解決しないことを聞く。障壁の解消率、相談への反応、初期成果までの期間

担当候補:人事・直属上司・受入担当。期待する変化は「新人が仕事の期待、相談経路、次に取り組むことを理解できる。」。ただし、チェックリストを完了させても、本人の理解や仕事上の困りごとを確認しない。

5施策の実行手順と失敗条件

1. Realistic Job Preview
なぜ効くと考えるか
良い点と難しい点を入社前に伝えると、候補者が自分との相性を判断できる。応募を増やすより期待差を小さくすることが目的。
最初にすること
新人が驚いた仕事内容や働き方を集め、求人と面接の説明との差を確認する。
実行と成果物
繁忙期、仕事の難しさ、支援方法を具体的な例で伝える。職場見学や社員対話で確認し、候補者が辞退を選ぶことも適切な判断として受け止める。
見る指標
入社前後の期待差、90日定着、辞退理由
失敗しやすい点
厳しさを美化して耐える人だけを集めない。改善すべき労働環境は別途直す。
この課題の施策比較・社内提案へ →
2. 30・60・90日計画
なぜ効くと考えるか
小さい到達点と確認日があれば、新人は何に集中するか判断できる。上司も問題を早く発見できる。
最初にすること
役割に応じた初期成果を上司と決め、最初の30日に絞って具体化する。
実行と成果物
60日で広げる仕事と90日の自立範囲を合意する。計画から遅れた時は本人の努力だけでなく、権限、資料、指導時間の不足も点検する。
見る指標
初期成果の達成、阻害要因、入社者別の定着
失敗しやすい点
全職種に同じ計画を押しつけない。学習期間が長い仕事では目標の内容を変える。
この課題の施策比較・社内提案へ →
3. バディ制度
なぜ効くと考えるか
直属上司に聞きづらい小さな疑問を解消する相手がいると、迷いが長引きにくい。人間関係を自然に任せず接点を設計する。
最初にすること
新人が困りやすい社内ルールやツールを整理し、答えられる担当を選ぶ。
実行と成果物
バディの役割を生活・社内手続きの相談に定め、評価や専門指導との境界を明確にする。休暇時の代替担当と時間枠も用意する。
見る指標
質問が解消する時間、孤立感、相談先の理解
失敗しやすい点
バディの負荷が増えすぎると続かない。本人の通常業務と調整する。
この課題の施策比較・社内提案へ →
4. 入社前の受入監査
なぜ効くと考えるか
初日の不備は『歓迎されていない』という解釈につながる可能性がある。準備を部署任せにせず、責任者と締切を定める。
最初にすること
権限、端末、研修、初日の予定、連絡先を一覧にし、未準備を確認する。
実行と成果物
入社前に必要な手続きと初日の流れを本人へ伝える。準備できないものは代替手段を用意し、働けない待ち時間を減らす。
見る指標
初日の準備完了率、権限待ち時間、初週の困りごと
失敗しやすい点
入社前に無償の業務や過度な研修を求めない。必要手続きと仕事を分ける。
この課題の施策比較・社内提案へ →
5. 週次の障壁確認
なぜ効くと考えるか
進捗面談だけだと、本人は不安を隠して順調と答えることがある。困っている場面を具体的に聞けば、仕事側の改善につなげられる。
最初にすること
今週止まった仕事、誰に聞いたか、まだ解決しないことを聞く。
実行と成果物
課題ごとに本人がすることと上司が支援することを分ける。次回に解決を確認し、同じ課題が複数の新人に出れば受入手順を修正する。
見る指標
障壁の解消率、相談への反応、初期成果までの期間
失敗しやすい点
安心感を点数で尋ねるだけで終わらない。答えに応じた具体的な対応を行う。
この課題の施策比較・社内提案へ →

最初の30日を、小さく試す

30日では最終成果を断定せず、実行と先行する変化を確認
時期決める・確かめること残す記録
1週目同じ入社月の人を90日後まで追い、入社人数・在籍人数・退職理由を残す。まだ90日経っていない人を分母に混ぜない。対象人数・期間・現在の状態
2週目人事・直属上司・受入担当と担当・時間・権限を合意する実行条件と予算・協力時間
3週目実施後に『初日に必要な道具、権限、席、担当者は揃っていたか。』を再確認する利用できた人・障害・反対の声
4週目継続・修正・中止を判断する変化・同時に変えた条件・次の確認日

実行チェック

出典・対象・関連記事

資料確認:2026年10月8日。原資料の必要な要点を独自に要約し、図解・比較表・実行手順はJPMが設計。実務仮説や仮想例は、効果が実証された事例ではありません。専門家の個別監修を受けた記事とは表示していません。

出典・更新・AI利用の方針 / 運営会社 / 情報の訂正・問い合わせ

一緒に読む

記事一覧へ戻る →