まず、結論
人手不足感は採用人数だけで解けない場合がある。採用担当自身が日程調整や重複入力で埋まっていれば、新しい施策を加えるより先に業務を減らす必要がある。
まず、原因を切り分ける
人事の仕事を定常、突発、決裁待ち、二重入力、問い合わせ、企画に分ける。件数と時間を記録し、手間の大きい仕事の発生理由まで確認する。担当者の速さではなく、同じ情報を何度も扱う仕組みを直す。
| 原因の候補 | 確認する証拠 | 先に変えること |
|---|---|---|
| 作業が重複 | 転記と二重確認 | 定義・入力を一本化 |
| 決裁待ち | 未処理と滞留時間 | 権限と代理を設定 |
| 役割が過大 | 業務別の時間 | 止める・減らすを決定 |
自社への3つの問い
- 同じ情報を複数のシステムへ入力していないか。
- 問い合わせを減らす説明と窓口はあるか。
- 新しい施策を始める時に、止める仕事も決めているか。
この課題に使える根拠
人手不足は採用担当だけの悩みではない
2025年・企業人事300名への調査。会社全体の人手不足感を単一回答で確認(公開レポート・図表1)。
- 全社の人手不足を感じる回答者
- 75.7%
出典:リクルートマネジメントソリューションズ / 企業人事が感じる人手不足実態調査2025 原資料 ↗
数字・資料の読み方回答者の認識であり、全国企業の75.7%が不足しているという推計ではありません。不足人数、原因、解決策の効果は別に確認が必要です。
人事の判断にどう使うか
JPMの読み解き・実務仮説人手不足感は採用人数だけで解けない場合がある。採用担当自身が日程調整や重複入力で埋まっていれば、新しい施策を加えるより先に業務を減らす必要がある。
最初に確認する自社データ・現場の声
一週間の業務を時間と件数で記録し、やめる・まとめる・委譲する作業を決める。その後に採用や改善へ確保する時間を置く。
なぜ、その打ち手を選ぶのか
人事の時間は有限で、新しい施策には運用の仕事が伴う。改善のための時間を確保せず施策だけ増やすと、説明と測定が後回しになる。廃止、標準化、自己解決、外部活用、自動化を順に検討する。ツールは作業の一部を速くしても、例外対応や確認を増やす場合がある。作業時間の削減だけでなく、誤り、社員体験、確認工数を合わせて判断する。
自社に当てはめる仮想例
仮想例。問い合わせが多くFAQを作ったが減らなかった。社員は申請時にFAQへたどり着けなかった。申請画面へ条件と窓口を配置し、案内を更新する担当を決める。質問数だけでなく、解決しないまま申請を諦めた人がいないかを確認する。削減した時間は分析の固定枠へ回し、別の雑務に埋まらないようチームの予定へ置く。
別の原因なら、別の打ち手
廃止できない業務は、実施の必要性と今の方法を分けて見直す。外部委託は確認や社員対応が残るので移管後の総工数を比較する。AIは確認可能な作業から試す。効率化で浮いた時間が測れない場合は、開始前の件数と作業時間から記録する。短期的に設定の時間が増えるなら、その期間と継続費用を示して判断する。
- 01原因の証拠
- 02変える条件
- 03担当と試行
- 04行動の変化
- 05継続・修正
5つの施策を、同じ観点で比較する
| 施策 | 最初の着手 | 見る指標 |
|---|---|---|
| 人事業務の棚卸し | 一週間、作業の種類、時間、待ち、やり直しを記録する。 | 作業時間、二重入力、企画に使える時間 |
| 問い合わせの自己解決導線 | 頻出質問と誤解しやすい手続きを記録する。 | 同じ問い合わせ、解決までの時間、自己解決率 |
| 例外処理の標準化 | 直近の例外案件を集め、理由と判断者を整理する。 | 例外件数、決裁待ち時間、担当不在時の停止 |
| 改善時間の固定枠 | 週の一部を一つの改善課題に使うことを責任者と合意する。 | 改善に使った時間、削減工数、完了した変更 |
| 外部委託の範囲整理 | 業務を事務、専門判断、社員対応、意思決定に分ける。 | 移管後の社内工数、誤り、対応時間、社員体験 |
担当候補:人事責任者・担当者・情報システム。期待する変化は「定常業務の負担が減り、課題分析と改善の時間を確保できる。」。ただし、効率化ツールを増やして、設定、例外対応、転記の仕事がさらに増える。
5施策の実行手順と失敗条件
1. 人事業務の棚卸し
- なぜ効くと考えるか
- 忙しさを件数と時間へ分けると、止める仕事と標準化する仕事を選べる。業務の存在理由も確認する。
- 最初にすること
- 一週間、作業の種類、時間、待ち、やり直しを記録する。
- 実行と成果物
- 必要性が低い報告、二重入力、古い手順を見直す。法令や社内統制で必要な仕事を確認し、廃止の判断者と周知方法を決める。
- 見る指標
- 作業時間、二重入力、企画に使える時間
- 失敗しやすい点
- 個人の生産性ランキングにしない。業務の構造を改善する。
2. 問い合わせの自己解決導線
- なぜ効くと考えるか
- 同じ問い合わせが減れば、個別対応に追われにくい。FAQだけでなく必要な時に見つかる配置が重要。
- 最初にすること
- 頻出質問と誤解しやすい手続きを記録する。
- 実行と成果物
- 検索しやすい言葉で説明をまとめ、申請画面や案内にリンクする。解決しない場合の窓口を残し、問い合わせ内容から更新する。
- 見る指標
- 同じ問い合わせ、解決までの時間、自己解決率
- 失敗しやすい点
- FAQを作って問い合わせを拒まない。例外や相談が必要な内容は人が対応する。
3. 例外処理の標準化
- なぜ効くと考えるか
- 担当者だけが知る例外は属人化と手戻りを生む。条件と決裁先を整理すれば、引き継ぎがしやすい。
- 最初にすること
- 直近の例外案件を集め、理由と判断者を整理する。
- 実行と成果物
- 標準で処理できる範囲と相談が必要な条件を分ける。例外の記録を定期的に確認し、同じ例外が増えたら制度や手順を見直す。
- 見る指標
- 例外件数、決裁待ち時間、担当不在時の停止
- 失敗しやすい点
- 例外をなくすことが目的ではない。個別配慮が必要な案件を一律に処理しない。
4. 改善時間の固定枠
- なぜ効くと考えるか
- 空いたら改善する方式では日常業務に押される。計画された仕事として時間と成果を置く。
- 最初にすること
- 週の一部を一つの改善課題に使うことを責任者と合意する。
- 実行と成果物
- その時間に受ける問い合わせの代替と緊急条件を決める。小さい成果を積み上げ、削減できた工数を次の改善へ戻す。
- 見る指標
- 改善に使った時間、削減工数、完了した変更
- 失敗しやすい点
- 通常業務を他の担当へ押しつけない。チーム全体の負担で確認する。
5. 外部委託の範囲整理
- なぜ効くと考えるか
- 繰り返す事務を外部へ渡すと内部の時間を確保できる場合がある。判断責任まで曖昧に渡さない。
- 最初にすること
- 業務を事務、専門判断、社員対応、意思決定に分ける。
- 実行と成果物
- 委託する範囲、個人情報、品質、例外時の連絡、戻せる手順を決める。社内の確認工数も費用と合わせて比較する。
- 見る指標
- 移管後の社内工数、誤り、対応時間、社員体験
- 失敗しやすい点
- 契約費だけでなく管理工数を数える。委託先への情報提供範囲を必要最小限にする。
最初の30日を、小さく試す
| 時期 | 決める・確かめること | 残す記録 |
|---|---|---|
| 1週目 | 一週間の業務を時間と件数で記録し、やめる・まとめる・委譲する作業を決める。その後に採用や改善へ確保する時間を置く。 | 対象人数・期間・現在の状態 |
| 2週目 | 人事責任者・担当者・情報システムと担当・時間・権限を合意する | 実行条件と予算・協力時間 |
| 3週目 | 実施後に『同じ情報を複数のシステムへ入力していないか。』を再確認する | 利用できた人・障害・反対の声 |
| 4週目 | 継続・修正・中止を判断する | 変化・同時に変えた条件・次の確認日 |
実行チェック
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- リクルートマネジメントソリューションズ / 企業人事が感じる人手不足実態調査2025 ↗2025年・企業人事300名への調査。会社全体の人手不足感を単一回答で確認(公開レポート・図表1)。
資料確認:2026年10月8日。原資料の必要な要点を独自に要約し、図解・比較表・実行手順はJPMが設計。実務仮説や仮想例は、効果が実証された事例ではありません。専門家の個別監修を受けた記事とは表示していません。
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